ラクメ [音楽鑑賞]
07.4/23 東京文化会館 ドリーブ作曲 オペラ 「ラクメ」 に行ってきました。
今話題のコロラトゥーラソプラノ デジレ・ランカトーレが演じる「ラクメ」
「ラクメ」の日本上演は80年ぶり!だそうです。
開演前
音楽も脚本も素晴らしい!のに上演できないのは、やはり ラクメ のアリアがとても難しいから。
ランカトーレさんの歌う 2幕のアリア 「鐘の歌」
とにかく高音が美しい、細く長く続く高音にため息です。
声の密度が非常に高く、表現力の豊かさも素晴らしい。
アリアは超絶技巧の連続で、歌える歌手は本当に限られると実感しました。
以前、ブリティッシュ・エアウェイズ社のCMでも使っていた花の二重唱は、音楽を聴けば「ああ、きいたことがある」と思う人が多い音楽だと思いますが、この二重唱のメゾパートを歌うマリカ(ラクメの侍女)もこの後はほとんど活躍しません。
ラクメ の比重が大変重いオペラです。
幕間
2幕途中の巫女たちのバレエのシーンは、音楽も踊りも美しく、コッペリアなどのバレエ音楽で活躍したドリーブらしい舞台になっています。
また、市場のにぎやかなシーンや街の人々の合唱も良かったです。
ジェラルド役のチェルソ・アルベロ(テノール)、ニラカンタ役のエルネスト・モリリョ(バス)の調子はどうだったのでしょう?
私の感想は、ランカトーレの密度の高い声を聴くと周りの歌手の声が物足りなくなってしまうかな? と。
声が良いなと私が思ったのは、アジ(ニラカンタの召使い)役のドゥシャン・トポロヴェツです。 ・・ 舌噛みそう
ランカトーレは3年先まで公演予約がうまっているそうですが、うなずけます。
【あらすじ】 とってもシンプル編
オペラの舞台は19世紀、イギリス支配下のインド。
イギリス人の横暴さに苦しんでいるインドの人々。
バラモンの神を信じ、神の力によって圧政から救われると信じる高僧ニラカンタ。
聖女であるニラカンタの娘 ラクメ。
憎きイギリス人の士官ジェラルドとラクメが出会い、お互いを愛してしまう。
聖域を侵し、自分の娘をたぶらかすジェラルドを憎み、命を狙うニラカンタたち。
ニラカンタに刺されるが、ラクメの看病によって命を取り留めたジェラルド。
けれども、ラクメとの愛に生きるか、軍人としての名誉と義務、婚約者(エレン)との愛に生きるか、迷うジェラルド。
彼の迷いを知ったラクメは、毒花ダチュラを噛み、ジェラルドが父ニラカンタに再び殺されることのないように聖なる水を交わした人(永遠の夫婦)となったことを告げ、死んでしまう。
「今日のお花」