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NHK音楽祭 『体感!モーツァルト』 [音楽鑑賞]

NHKハイビジョンで放映された、NHK音楽祭を見ました。(11/18  2006)

テーマは 『体感!モーツァルト』

指揮 ロジャー・ノリントン  演奏 NHK交響楽団

モーツァルト 「後宮からの誘拐」序曲 K384
 エルガー    チェロ協奏曲 ホ短調 作品85 チェロ 石坂団十郎
モーツァルト  交響曲39番 変ホ長調 K543

ノリントンさん(イギリスオックスフォード出身)は、作曲家が曲を作曲した当時の音を忠実に再現しようと研究をしている指揮者。ビブラートが音楽を表現する上で最善なのか、常に問いかけているという。

ノンビブラート奏法・・・

ノリントンさんによれば、ビブラートをかけるようになったのは1930~1940年ころかららしい。
モーツァルトはもちろん、ブラームスもチャイコフスキーマーラーもベルクもビブラートをかけた演奏をしていなかった。1910~1920年頃は「カフェビブラート」と言って、クラシックではない音楽分野で使われていたそうで。

以前、チェリストの鈴木秀美さんがビブラートかけすぎについて、著書の中で触れていたのを思い出す。

演奏の感想は・・・

楽器本来の音色の美しさが際だった演奏だと感じました。
無垢な音色。
ビブラートがないと音は丸裸、当然演奏は難しい。
音程の確かさ、弓の使い方。
リハーサル一回目からノンビブラートに挑戦できるN響のメンバーはさすが。
モダン楽器で当時の音楽表現をする楽しさを感じさせてくれた。
会場で聴いた方の感想をブログなどで読んでみると、透明感のある音楽だったとか。

エルガーのチェロコンチェルトも極力ビブラートをかけない演奏に挑戦していました。
音が丸裸というのは、チェロを弾く身としてはちょっと恥ずかしい。
石坂さんはお名前は超日本人ぽいですが、日本人の父とドイツ人の母のハーフ。

このコンサートは、途中ノリントンさんのお話を聞けるコーナーがあり、
モーツァルトの時代(18世紀)のことばを理解する試み、音楽が演奏されていた環境、オケの楽器の配置、編成など、とても分かり易い解説をされていた。

テンポ 配置 楽器編成 強弱 フレージング すべて18世紀のルール。
そのルールに乗ったとき、音楽が輝き始める という話。

一見、気むずかしそうなノリントン氏。話はじめると、イギリス人特有のユーモア混じりの温かいお話に引き込まれる。

管楽器や打楽器などは 配置の他、演奏自体を変えていたのでしょうか?

透明感あふれる音色、心弾む演奏、一度生で聴きたい演奏会でした。

来年2007の2月にエマ・カークビーとリュートのデュオコンサートに行く予定です。今度はノンビブラートの歌声を生で聴ける良い機会になりそうです。

 


《今日の庭》


先日、庭のけやきに来ていた コゲラ 

 
コンコンと木の肌をたたいてお食事中

小さくてかわいいけれど、鳴き声は ギーギー 存在感あふれる声


 


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コメント 7

Cecilia

ビブラートに関しては、合唱におけるビブラート、独唱におけるビブラートなど考えることが多いです。以前も記事を書きました。
又ヴァイオリンをしていた頃はかけることによって優越感に浸っていましたが、今思うとかけるべきでないところまでかけまくっていました。(若気の至りです。)
最近もnyankomeさんが鈴木秀美さんの「古楽器よさらば」について書いていらっしゃいましたね。
by Cecilia (2006-11-20 22:29) 

nyankome

こんばんは。
エマ・カークビーとリンドベルイのコンサートに行かれるのですね。
私も行きます。
エマの歌声も楽しみですが、お目当てはオリジナルのリュート。
きっと素晴らしいコンサートになることでしょう。楽しみです。
鈴木秀美さんの2冊の本、リュート弾きにも参考になるお話が多かったです。
by nyankome (2006-11-20 23:23) 

スザンナ

★Ceciliaさん、ビブラートはおっしゃるとおり、考えることが多いです。
かけないで表現できることも知った上で、演奏したいですね。
合唱は人によってそれぞれビブラートも違うので、いろいろ感じそうです 笑
この前のお歌のレッスンでビブラートをかけずにモーツァルトを歌う練習をしたばかりでした。(難しい~) 
エマ・カークビーさんの偉大さを再認識しました!


★nyankomeさん、まぁ、共通項がたくさん!! 笑
エマさんとリンドベルイさんのコンサート当日(夜)、私自身も演奏会(午後)なのです。パーセルを歌う予定ですが、私の方が先なので、参考になりません 苦笑
リュートのコンサートもイギリスで聴いて以来なので、とても楽しみです。
鈴木さんの本は「古楽器よさらば」だけ、持っています。
「ガットカフェ」?も近いうちに読んでみたいです。
by スザンナ (2006-11-21 00:40) 

みゆき

コゲラって何ですか?初めて聞きました。
それにしても、スザンナさんのお宅には庭があっていいですね~
で、その庭に鳥が遊びに来て・・・ステキですね。
by みゆき (2006-11-21 11:43) 

クラシック音楽にビブラートが使われ始めたのって、ここ80年くらいのことなのですね。知りませんでした。
お庭にコゲラがくるなんて素敵ですね。
あ・・・でも、庭木が傷みませんか?
by (2006-11-21 14:35) 

スザンナ

★みゆきさん、そうですよね、コゲラって何?ですね 笑
キツツキの仲間です。とても小さいのですが、 声がギーギーとだみ声wなので
庭に来るとすぐわかるんです。この日はつがいで来てました。
↓で見られると思います。
http://www.tbs.co.jp/seibutsu/zukan/bird/htmls/bird_17.html


★ちびっとさん、ビブラートは第二次世界大戦の後、ポピュラーに使われるようになったそうです。以外でした~
コゲラって、枯れた木の肌の虫を食べるのだと思っていたら、元気なけやきにも来てくれました^^; 
巣を作ってくれたら嬉しいけれど、穴は空きますよね 苦笑
by スザンナ (2006-11-21 22:20) 

じゃすみん

お庭にこんなかわいいお客さんがあるんですね。
うらやまし~。
by じゃすみん (2006-11-22 08:11) 

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